ひとりぼっちの僕は 歌が好きだ
渡辺勝さんの歌詞の言葉。今日は、夕方どうも憂鬱な気分だった。高円寺に行こうかどうかも悩んだ。けど、思い切って行ってみた。高円寺の古本酒場コクテイルで松倉如子さん、中川五郎さん、渡辺勝さんの投げ銭ライブを観る。
金曜の夜だったので、お客さんがワンサカいた。お店の隅っこで三人の歌を聴いた。その時の気分(店の楽しい雰囲気にどうてしても入っていけなかった)も手伝って、一つ一つの言葉と音に感情移入することができた。恥ずかしいぐらいに涙が出てきた。
渡辺勝さんの歌、じっくり聴けば聴くほど、その詞の世界の奥深さを思い知られる。人恋しさ、生きることの悲しみは、いくつになっても死ぬまで何も変わらないんだ。それをお酒呑んだり、友と語り合ったりすることで、何とか生きのばしていくのが、たぶん人間ができるせいいっぱいの抵抗なんだと思う。その姿は、時としてとても惨めで情けないものに映るかもしれない。けれど、その中にこそ人生の味わいみたいなもの、光となるものが隠されていると思う。
松倉さんの歌、コクテイルではいつも何だか楽しげだ。この場所が本当に好きなんだと思う。やっぱり、彼女には楽しく歌ってほしいと思う。観てるこちらの心も温める強い歌をせっかく持っているのだから。期待してます。
中川五郎さんの歌は、100%恋愛の歌だ。それも叶わぬ恋の歌が大半だ。あんな飄々とした佇まいの影に、どうしようもない恋の歌がいくつも転がっている。それが彼を今も元気に生かせて歌わせている源なのかもしれない。
何度だってやり直せばいい。転んでも転んでも起き上がればいい。昔、『ドラえもん』でタイムマシンでのび太がおばあちゃんに会いに行くシーンがあった。おばあちゃんは、転んで痛がる小さいのび太に言うんだよ、「のびちゃんもこのダルマさんにみたいに、転んでも転んでも何度だって起き上がる強い人間になってほしい」て。
そんなことを考えながら五郎さんの歌を聴いていた。もちろん涙目になりながら。
ライブ後、お酒呑みながらイカのスペイン炒めを食べた。狩野さんの作る料理はいつも絶品だ。ナイスガイだ。
しょげていた気分も少し膨らんだ。いろいろあるけど、そうまんざら悪くない人生だとも思えるようになった。
ほろ酔い気分で帰宅して気付いた。今日は銀杏BOYZがNEWS23に出演する日だった。ちょっと悔しいなぁ。
eastern youthの新作と京都のシンガーソングライター長谷川健一さんの作品を聴いた。どちらも身を削ったその人だけにしかできない音楽をやっていた。こういう本当の表現者がいる限り、僕はまた明日も歩き出せるような気がしてくる。ありがとうございます。
飯田橋のブックオフで、ギャラクティカの総集編と松本零士の『男おいどん』第1巻を買った。ギャラクティカには、フラカンの2004年のクラブチッタの「深夜高速」(圭介さんが流血したときのやつ)とTheピーズのライブが入っていたので。『男おいどん』は大好きな作品、今の自分と投影させてしまう作品。彼には、職もないし学生にさえなれない、バイトも満足に続かない、友人ましてや恋人なんて夢のまた夢なのだ。でも、彼は明日は何かいいことがあるんじゃないかって一欠けらの望みを持ちながら歩いている。救いようのない日々がこれからも続くとしても、彼はきっと諦めない。諦めるわけにはいかないんだよ。彼には、やりたいこと、そしてやらなければ死にきれないものが、普通の人より何倍も何倍も持っているんだから。思いっきり生きて、思いっきり死んでやる。
そんなおいどんの姿、僕は大好きなのだ。憧れなのだ。
みんなからとり残され、忘れ去れた、そんな夜でも一筋の光だけは自分の中で絶やさず持っていたい。
今日のBGM:eastern youth/ばかやろう節
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